環境再生保全機構「すこやかライフ」より
緊急処置が必要な病気が多い!
一刻を争う胸痛
①心筋梗塞
②大動脈解離
③肺塞栓症
④緊張性気胸
⑤食道破裂
胸痛の原因はいろいろ
持続時間による分類
痰の有無による分類
2週間以上続くときは胸部X線チェック
慢性の咳の原因として、咳喘息、副鼻腔気管支症候群、胃食道逆流が多い
原因疾患 | 有用な問診 |
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喘息・咳喘息 | 喘息といわれたことがあるか? 夜間・明け方やストレス下で咳が出やすいか? 症状の季節性、変動性はないか? 温度変化、運動、会話などで咳が悪化するか? |
アトピー咳嗽 | アトピー素因はないか? アレルギー疾患(花粉症など)の合併はないか? 喉がイガイガしないか? |
上気道咳症候群 (後鼻漏) | 横になると咳が出やすいか? 鼻汁は多くないか? |
胃食道逆流 | 胸やけはないか? 会話時、食後、起床直後、上半身前屈時の悪化はないか? |
副鼻腔気管支症候群 | 膿性痰はないか? 慢性副鼻腔炎の既往・症状はないか? |
感染後咳嗽 | 上気道炎が先行していないか? 徐々に自然軽快傾向にあるか? |
倉原 優:ポケット呼吸器診療2022より抜粋
非定型肺炎:クラミジアやマイコプラズマなど一般細菌以外の微生物による
1.年齢60歳未満
2.基礎疾患がない,あるいは軽微
3.頑固な咳がある
4.胸部聴診上所見が乏しい
5.痰がない,あるいは迅速診断法で起因菌が証明されない
6.末梢血白血球数が10,000/μl未満である
「細菌性肺炎疑い」「非定型肺炎疑い」どちらかで治療が異なります!
細菌性肺炎疑い
非定型肺炎疑い
原因菌は肺炎球菌,インフルエンザ菌,マイコプラズマを中心に考える
重症例ではレジオネラ,インフルエンザウイルスを忘れない
特徴 | 問診と診察 | 検査 |
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可逆性の気道閉塞 | 呼吸困難の発作 喘鳴を伴う 治療で改善する | ピークフローの変動 気道可逆性試験 |
気道過敏性 | 乾燥冷気で発作誘発 | 気道過敏性試験 |
アレルギー性気道炎症 | 小児喘息の既往 | 喀痰中の好酸球増加 末梢血の好酸球増加 総IgE上昇 RAST(ハウスダスト、ダニが陽性) |
滝澤 始:喘息治療薬の考え方、使い方 ver.2
気管支拡張薬投与後の呼吸機能検査でFEV1/FVC<70%を満たすこと
*FEV1/FVC・・・1秒率(初めの1秒間に吐ける量/肺活量)
他の気流閉塞をきたし得る疾患を除外すること
*気流閉塞・・・息を吐くときに抵抗がある
グレード | 息切れの程度 |
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0 | 激しい運動をしたときだけ息切れがある。 |
1 | 平坦な道を速足で歩く、あるいは緩やかな上り坂を歩くときに息切れがある。 |
2 | 息切れがあるので、同年代の人よりも平坦な道を歩くのが遅い、 あるいは平坦な道を自分のペースで歩いているとき、息切れのために立ち止まることがある。 |
3 | 平坦な道を約100m、あるいは数分歩くと息切れのために立ち止まる。 |
4 | 息切れがひどく家から出られない、あるいは衣服の着替えをするときにも息切れがある。 |
1.禁煙
2.感染症予防:インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン
3.呼吸リハビリテーション:運動療法、呼吸トレーニング、栄養指導など
4.薬物療法:吸入気管支拡張薬など
5.在宅酸素療法
6.増悪期は抗菌薬、ステロイド
鎖骨に重なるかくれんぼ肺がん
パンコースト型肺がん
頸腕症候群と紛らわしい症状をきたすことがある。胸部画像所見は肺尖の胸膜肥厚像に類似しているため、肺がんが疑われないことも多い。
診断の決め手は肺尖部付近の骨破壊像の同定である
頸腕部の疼痛を訴える肺尖部の胸膜肥厚像
⇒CTでチェック