喘息を疑うのはどういう症状でしょうか
- 子供のころから喘息だった方はわかると思いますが、大人になってから始まる喘息もあります。どのような症状で疑えばよいのでしょうか。
- 喘息を疑う症状は、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)、咳、痰、胸苦しさ、息苦しさ、胸の痛みです。さらに、症状は1日の中でも変動する、季節的に変化する、夜間咳が出やすい、アレルギー性鼻炎がある、両親や兄弟に喘息の人がいる、などの方は疑いが強くなります。
喘息を疑う症状で受診された場合
- まず問診をしっかりとり、胸の聴診などの診察を行います。
- 喘息以外の病気が疑われたときは、胸部レントゲン写真や呼気NO検査などを行う場合もあります。
- 喘息を疑った場合は吸入薬の処方を行います。その薬で症状が改善すれば喘息と診断できます。
- 薬はすぐにやめられませんので、引き続き受診していただき、良好なコントロールを目指します。
- 自分で喘息の状態を把握するために、ピークフローメーターという簡単な器械を家で使っていただく場合もあります。
- 最初に使用するのはICS/LABA(吸入ステロイドと吸入β2刺激薬の合剤)です。これが最も基本的な薬です。
- これでコントロール不十分(コントロールの状態はACTという5つの質問で確認します)の場合、LTRA(ロイコトリエン拮抗薬)やLAMA(吸入抗コリン薬)を追加します。
- それでもコントロールが不十分であれば、吸入ステロイドを増量します。
- それでもコントロールが不十分であれば、吸入薬を正しく使えているか確認したうえで、生物学的製剤(注射薬)を検討します。生物学的製剤は薬価が高いため、簡単に使用できる薬ではありませんが、患者さんによっては著効します。
- 喘鳴や呼吸困難はなく、乾性咳(痰の出ない咳)を唯一の症状として喘息の吸入薬が有効な病気です。
- 咳喘息の咳は夜間優位で、冷気、温度変化、受動喫煙、会話、運動、飲酒、精神的緊張、低気圧などが誘因となります。
- 呼気NO濃度の上昇は咳喘息を示唆しますが、正常範囲でも否定はできません。
- 一部の咳喘息では経過中に喘鳴が出現し典型的喘息に移行します。